APRSAF-17

第17回APRSAF 開催結果について


開催日: 2010年11月23日(火)-11月26日(金)
開催場所: メルボルン(オーストラリア)
テーマ: ”The Role of Space Technology and Industry in Addressing Climate Change”


  • 総合議長
    グリーンDIISR局長
    豪州イノベーション・産業・科学・研究省(DIISR)

  • 総合議長
    池上宇宙開発委員会委員長
    文部科学省(MEXT)

文部科学省(MEXT)及び宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、豪政府 技術革新・産業・科学・研究省 (DIISR)との共催により、2010年11月23~26日、オーストラリアのメルボルンで、第17回アジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF-17)を開催しました。23カ国・地域、11国際機関から約230名が参加しました。今回の会議の主な成果は以下の通りです。

1. 衛星を活用した災害把握・災害管理の取り組み(センチネルアジアプロジェクト)

STEP2における衛星数の増加、データ解析体制の整備、きずな(WINDS)地球局設置等によるデータ転送の改善、国際災害チャーターとの連携開始等、順調に運用されていることが確認されました。

2. 宇宙技術による環境監視 (SAFE)

新たに4件のプロトタイピング(スリランカの漁場予測、パキスタンの水資源管理、タイの漁場管理、ベトナムのマングローブ監視)活動が開始され、計8件のプロトタイピング(実証研究)が行われていることが報告されました。

3. 気候変動に関するアジア太平洋地域での協力

今回の全体テーマは「気候変動に関する宇宙技術と産業の役割」であり、気候変動に焦点を当てたパネルディスカッションを実施しました。その中で、全球気候観測システム(GCOS)の活動報告、アジア開発銀行や国連による水、森林、都市問題、運輸等の優先課題の報告、インドネシアから森林炭素会計システムの報告、JAXAの気候変動観測への取組み及び衛星データの利用例の紹介等がなされ、観測と情報の継続性、宇宙技術と地上の利用との連携とAPRSAFの調整の役割の重要性等が認識されました。
また、豪州からアジア太平洋地域の気候変動情報ニーズを把握するための新たな気候変動イニシアティブ (Climate Change Regional Readiness Review for key climate missions (Climate R3))が提案され、豪州が関心を有する機関と協力し、調査範囲や実施方法等について検討し、1年間のパイロット活動を実施、その結果を次回会合にて報告することになりました。

4. アジア太平洋地域での能力開発

文部科学省より新たに開始されたUNIFORM(大学連合による「超小型衛星研究開発事業」)について発表がありました。APRSAFの枠組みの下では、衛星開発等に関し各国が共同して能力育成を行う取組み(STAR計画)を2009年6月より開始しており、UNIFORMへ発展的に移行することも合わせて表明されました。

5. 国際宇宙ステーション・日本実験棟「きぼう」のアジア太平洋地域での利用促進

「きぼう」をアジア太平洋地域でも最大限活用するため、「きぼう」/HTVを利用した植物の種子の打上/回収ミッションの実施、利用機会提供や利用協力の促進、ISSでの教育プログラムの実施等について紹介し、これらの活動への積極的な参加を呼びかけました。

6. アジア太平洋地域における準天頂衛星の利用促進

2010年9月に準天頂衛星初号機「みちびき」を打ち上げました。アジア太平洋地域は、世界に先駆け複数衛星測位システムの利用環境が実現する地域であり、この環境を活用した国際協力の可能性について議論するため、APRSAF-17と併せて11月21~22日にメルボルン工科大学において、第2回アジア・オセアニア地域GNSSワークショップが開催されました。同ワークショップでは、準天頂衛星の利用方策の共同研究を含む複数衛星測位システムの利用、共同研究の可能性を実証実験する新たな枠組みが立ち上げられ、ワークショップ参加者に対しマルチGNSS実証キャンペーンへの参加が呼びかけられました。

7. 宇宙教育普及の推進

教材開発・共有などの推進、次のステップへの活動としての高度な水ロケット大会、外部資金の活用等を議論することができました。また、2011年にはバングラデシュが宇宙教育セミナーを、タイが衛星データ教育ワークショップを開催することを報告。サイドイベントとして水ロケット大会とポスターコンテストを開催し、青少年の宇宙教育への関心を高めることができました。

会議の様子

会議の様子はこちらからご覧ください。

テクニカルツアー

11月26日(金)午後、テクニカルツアーを行いました。
Bureau of Meteorology (BOM) (英語) [pdf] または
Victorian Space Science Education Centre (VSSEC)(英語) [pdf]
各ツアーの詳細は行き先をクリックしてPDFをご覧ください。

共催機関

  • 豪政府 技術革新・産業・科学・研究省 (DIISR)
  • 文部科学省 (MEXT)
  • 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 (JAXA)

後援機関

関連イベント

開催日イベント会場
2010年11月20-21日 水ロケット大会 VSSEC and Cross Keys Reserve
2010年11月21-22日 GNSSワークショップ RMIT University (会場:16番)
2010年11月22日 SAFEワークショップ Crown Conference Centre
2010年11月23-26 ポスターコンテスト Crown Conference Centre

お問合せ

APRSAF事務局
Tel : 050-3362-5880
Fax : 03-6266-6908
E-mail : aprsaf-17aprsaf.org