APRSAF-24

ジョイント・ステートメント

第24回アジア・太平洋地域宇宙機関会議 ジョイント・ステートメント

第24回アジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF-24)は、2017年11月14日から17日までインド・ベンガルールにおいて、「よりよいガバナンスと社会経済発展のための宇宙技術」というテーマのもと、成功裏に開催された。

APRSAFはアジア太平洋地域における宇宙活動に関心のある者が参加可能なオープンなフォーラム。宇宙機関、政府機関、国際機関、開発援助機関、研究機関・大学等に加えて、今後重要なプレイヤーとなることが期待される民間セクターからのより一層の参加を歓迎する。様々な分科会(WG)やイニシアチブの年間を通した活動により、顕著な地域協力を生み出しAPRSAFを持続可能なフォーラムとしている。

APRSAF-24参加者は、以下の事項を認識し、共有した。

1.よりよいガバナンスと社会経済発展のための宇宙技術

  • 宇宙技術は様々な社会課題解決に有効なツールであり、効果的な政策決定に利用可能である。
  • 更なる宇宙利用を促進するため、宇宙機関が、利用省庁・機関や開発援助機関等と連携し、衛星からの情報を解析し、既存のシステム間でデータを共有するメカニズムの促進を通して衛星情報を配布し、定常業務と手順の中に取り込んでいくことで社会課題の解決に向けた実際のアクションに繋げていく。

2.持続可能な開発目標(SDGs)に対する宇宙の貢献

  • 宇宙技術はSDGsの17の目標の達成にあたって、災害リスク低減、水資源管理、農業管理などの地域の社会課題の解決に貢献することを通して、重要な役割を果たすことができる。
  • 各国がそれぞれの国における様々な活動で蓄えた得意とする能力に基づいて積極的な協力をしていくことで、国及び地域の課題を解決することができる。

3.地域の宇宙技術力の向上

  • 地域全体の宇宙技術力を高めていくことは我々の共通の利益である。高度なレベルのエンジニア、研究者を養成するための教育や能力開発を促進するために、この地域で利用可能な高等教育プログラムや宇宙技術利用ワークショップ等の取組みを支援し強化することが重要であると認識する。
  • また、我々が直面するグローバルかつ社会の課題に対し新しいソリューションを提供するために、革新的な小型・超小型衛星を共同で開発する将来の協力活動に向けた議論を開始する枠組みを構築するアイデアを支持する。

4.ハイレベルによる会合の重要性

  • 宇宙政策を担当するハイレベルなステークホルダーを含め、宇宙機関長が定期的に集まり、共通の課題、関心を共有できるような機会を持つことが重要であることを認識する。こうした定期的な相互作用が、地域の社会課題の解決に取り組む更なる協力機会の創出をもたらすことを期待する。

5.APRSAF活動の進化

  • APRSAFでの関心が、従来のリモートセンシング等の宇宙技術利用にとどまらず、地球低軌道(LEO)及びそれ以遠の宇宙探査活動に対して拡大している。
  • アジア・太平洋地域が世界の人口のおよそ2/3以上を占め、地形・気候・民族等における多様性に富むAPRSAFの枠組みの下での地域での我々の取組みはグローバルな社会及び地球に対して大きな影響力を持つ。
  • したがって、APRSAFで共有されるこの地域の関心を、国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)や、第2回宇宙探査フォーラム(ISEF2)、地球観測に関する政府間会合(GEO)などのグローバルな取り組みに繋げていくことが重要である。

第25回アジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF-25)は2018年にシンガポールで開催予定。

以上