APRSAF-22

提言文

第22回アジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF-22)
エグゼクティブサマリ&提言
2015年12月1日~4日 インドネシア共和国バリ島

第22回アジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF-22)は、アジア太平洋地域における宇宙利用の促進、宇宙技術開発の発展と共通する課題の解決に向け、地域協力の強化をめざし、12月1日から4日までインドネシア共和国バリ島において、全体テーマ「宇宙におけるシナジーを通じた解決策の共有(Sharing Solutions through Synergy in Space)」のもと、28の国・地域および10の国際機関から478名の参加者が集い、成功裏に開催された。

APRSAF-22の参加者は、

1.
前回21回会合での提言を受け、地域の社会経済的利益に資する様々な宇宙技術開発とその利用の促進を目指した取り組みが継続して行われたことを歓迎し、
2.
特に、環境監視や防災、農業、森林、海洋監視等の分野を含む優先分野において、宇宙技術が効果的に活用されていることを確認し、
3.
宇宙機関のみならず、APRSAF-22への参加が大いに歓迎された利用機関、開発援助機関や産業界との連携強化により、解決策が確実に地域に根付いていく重要性を強調し、
4.
人類の発展のために、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」を含む宇宙環境利用に関する共同の取り組みを奨励し、
5.
国際的に検討が進められている宇宙探査活動の重要性を認識し、宇宙から新たな知識の獲得、研究・開発の推進へ向けて地域で活発な議論が行われたことを歓迎し、
6.
次世代を担う若い世代をインスパイアする宇宙を題材とした教育的取り組みのためのさらなる地域協力を確認し、
7.
宇宙利用(Space Applications)、宇宙技術(Space Technology)、宇宙環境利用(Space Environment Utilization) 、宇宙教育(Space Education)の4分科会及び実施中の3つのイニシアチブであるセンチネルアジア、SAFE(Space Applications for Environment)およびKibo-ABCからの具体的な活動報告を歓迎し、
8.
以下のとおり、各分野での具体的な活動の進展を確認し、以下のサマリーと今後の活動に関する提言に合意する。
【宇宙利用分科会(SAWG)】
9.
開催国インドネシアからの報告及びインドネシアにおいて様々な宇宙利用が進みつつあることを歓迎する。
10.
アジア・太平洋域における重要分野の一つである、海洋環境監視をテーマとした開催国セッションにおいて、海洋分野における様々な宇宙技術の利用の可能性について議論を行った。
11.
農業利用やSAFEの成果が国家の枠組みに応用されるなど、開発援助機関(例:アジア開発銀行(ADB)、国際協力機構(JICA))の枠組みを通じて、SAFEの活動がアジア・太平洋地域に適用されつつある成功事例を確認した。
12.
センチネルアジアについて以下の議論を行った。
ベトナム科学技術院(VAST)がVNREDSat 衛星により、7つめのデータ提供ノード(DPN)になり、センチネルアジアがDPNsとデータ解析ノード(DANs)との益々の協力により発展していることを歓迎する。
フィリピンにおいてセンチネルアジア サクセストーリーの第3フェーズが始まっていることを認識し、
迅速かつ継続的なセンチネルアジアの対応がミャンマーの洪水のケースのように、大規模な災害管理活動に貢献していることを認識し、
第1回運営委員会(The First Steering Committee (FSC)が成功裏にバンコクで開催されたことを確認し、持続的かつ自律的な枠組みに向け、宇宙技術・GIS関係機関(SGO)と防災機関(DMO)間の緊密な情報交換、迅速なアーカイブのためのサーバ構造の改善、情報分析・共有およびユーザとDANのための人材育成に関する実施戦略について議論した。
13.
気象・気候について以下の議論を行った。
農業、森林、公衆衛生などアジアの国と地域にまたがる問題解決に、地球観測衛星(GEOとLEO)、複数の測位衛星システム(マルチGNSS)及び情報通信技術(ICT)を統合する重要性を認識し、
2015年8月にブリスベンで開催された、ひまわり8号の気象分野以外でのアプリケーションについて議論したワークショップの成果を確認した。ワークショップでは、ひまわり8号データの多様な分野での利用について議論し、特に、陸、海、大気それぞれについて、気象予測以外のひまわり8号プロダクトの重点分野を選定した。
専門家コミュニティの形成促進のため専門のウェブサイトが準備されたこと、また、次回のAPRSAF-23において新たなイニシアチブを立ち上げる目的でアドホックチームを発足させることを歓迎した。
新たなイニシアチブの設置、また、日豪の専門家が率いて、気象予測のみならず多様なアプリケーションに利用できるひまわり8号のデータ利用を促進するアドホックチームの設立、新たなアプリケーションに対し、他の国からの関心を集めていくことを確認した。チームはまず、ひまわり8号データから得られたエアロゾルと表面反射の精度検証(Validation)を行う豪日協力研究プログラムの調整を行う。
14.
国際機関との協力により、宇宙アプリケーションの成功事例をアジア太平洋の地域規模に拡大するために重要となる要素について議論した。
15.
アジア・太平洋地域における重要な社会利益分野について情報と意見交換が行われたことを歓迎し、センチネルアジア、SAFEのイニシアチブと気象・気候利用推進の活動結果を確認した。
森林:ひまわり、MODIS、GOSATおよびGCOM-Cといった地球観測利用の統合による煙霧、雲の検知を含む森林火災把握、森林監視等の観点から、宇宙技術の現在の利用例と将来の利用の可能性について議論を行った。
農業:全球農業監視イニシアチブ(GEOGLAM)Asia-Riceを通じた米の作況監視と、東南アジア諸国連合(ASEAN)協力による米作況見通しの国連食糧農業機関(FAO)への円滑な提供など、極めて良好な活動の進展を確認した。SAFEの成果がADBの技術支援プロジェクトとして展開されていることを歓迎した。
水資源管理:国連教育科学文化機関(UNESCO)やアジア開発銀行(ADB)との協力による、洪水警報などの分野における利用の進展やタイ水産農業資源情報研究所(HAII)による洪水予報など、衛星降雨データの実利用の進展を歓迎する。
16.
食料安全保障、特に干ばつおよび洪水被害に対応するASEAN(AFSIS)、国連アジア太平洋経済社会委員会(UN-ESCAP)、メコン川委員会(MRC)、SERVIR-メコンおよびGEOGLAMの実施中及び計画中の地域プロジェクトの進捗状況を共有した。

<提 言>

17.
宇宙利用分科会(SAWG)への提言は以下のとおり:
A)
JICAやADB等の開発援助機関との協力プロジェクト、地球観測に関する政府間会合(GEO)との相互技術支援などを通じた協力進展、および、ESCAP、SERVIR-メコン、MRC、ASEAN等の国際機関とのさらなる連携の促進を推奨する。
B)
マルチGNSSとICTも含め、静止軌道衛星(ひまわり8号等)と低高度周回衛星(GCOM-C等)のデータを元に、更にAPRSAF-23で設立される新たなイニシアチブを支援して、新たな社会的アプリケーション(森林、土地の火災検知、広範囲の大気・煙害監視を含む)を開発する。
APRSAFイニシアチブ
【センチネルアジア】
18.
センチネルアジアが、宇宙技術・関連機関(SGO)と防災機関(DMO)が共同で取り組み、宇宙技術を利用した災害管理に貢献する枠組みとして、成功裏に運用されているAPRSAF初のイニシアチブであり、増加している加盟国・機関を通じ、その活動は現在も活発に進められていることを確認した。APRSAFは、データ提供ノード(DPN)、データ解析ノード(DAN)及びプロジェクトチームメンバ(JPTメンバー)としてそれぞれ新たにセンチネルアジアに加盟する機関を大いに歓迎する。
19.
昨年のAPRSAF-21で、センチネルアジアのステアリング委員会(FSC)が設立され、承認された3つの戦略的概念(共同推進、ユーザ指向、戦略的運営)に基づき、STEP-3フェーズの更なる進化を目指した計画を実践していることを確認した。
20.
戦略的運営の一環として第1回ステアリング委員会(FSC)が開催され、持続的・自律的なセンチネルアジア・プラットフォーム構築について協議を行ったことを確認した。本プラットフォームは、このイニシアチブから恩恵を受け、それぞれの目的実現に資するGIS関連機関(SGO)と防災機関(DMO)間の協力により、アジア太平洋地域における災害リスクと被害軽減のために宇宙技術を利用するものであり、その実践に向けた作業に着手していることを確認した。
21.
FSCにより提示・承認された実施計画の内容は以下のとおり:
現地の防災機関と衛星観測/解析機関の密接な情報交換による現場での災害対応活動に有効な情報の早期提供
災害種類毎に最も有効な地球観測プロダクトを開発・利用するための計画や手法を継続的に検討・提示することを目的とする、宇宙機関と防災機関の合同によるWGの再構成
地理空間情報とプロダクトのアーカイブや共有システム構築へ向けた、研究機関や大学、コンソーシアムとの連携促進、
各地域の開発プロジェクトと連動したサクセスストーリの実施
APRSAFは、この計画の実施を歓迎するとともに、これらの具体的実施計画が2016年1月に予定されているJPTMで、センチネルアジアを構成する全てのメンバーの総意として了承されることを期待する。

<提 言>

22.
センチネルアジアへの提言は以下のとおり:
A)
センチネルアジアの継続的・自律的運営に向け、JAXA事務局の支援の下、センチネルアジアのステアリング委員会の継続的で活発な議論を奨励する。
B)
迅速な情報共有・交換に必要なシステムの構築及び技術能力、災害対応能力の向上に取り組むことを歓迎する。
C)
アジア・太平洋地域における大幅な災害リスクと被害軽減を目的とし、センチネルアジアの協力枠組みの特徴である宇宙機関と災害対応機関との密接な連携、国際災害チャータや全球地球観測システム(GEOSS)、地球観測衛星委員会(CEOS)、その他国連機関等が進めるグローバルな防災宇宙技術利用の取り組みへの積極的な協力と連携を推進する。
D)
センチネルアジアの自律的運営を目指して、参加機関と参加国がセンチネルアジアへの貢献により、それぞれの目的に合致した利益を享受できるアジア太平洋プラットフォームの構築へ向けたセンチネルアジアの体制強化を推進する。
【SAFE】
23.
マレーシアの連邦土地開発公社(FELDA)農業サービス社 (FASSB)から提案された、「オイルパーム管理」、,カンボジア農林水産省 (MAFF) からの「稲作監視」、スリランカ資源管理省灌漑局(ID)からの「洪水予報」、インドネシアLAPANからの「オイルパーム監視」、ミャンマー農業灌漑省(MOAI)からの「稲作監視」に関する新規実証研究(プロトタイプ)の立上げを歓迎するとともに、継続中のプロトタイプの順調な進展を確認した。
24.
マレーシアプトラ大学の耕作放棄地監視案件、インドネシア農業省(MoA)・農業土地資源研究開発センター(ICALRD)の稲作監視案件、ベトナム科学技術アカデミー(VAST)・ベトナム国家衛星センター(VNSC)の稲作監視案件、ベトナム農業森林開発省(MARD)・国立水利研究所(VAWR)の沿岸監視案件、ベトナム天然資源環境省(MONRE)・気象局(NHMS)・国家水門気象予報センター(NCHMF)の洪水予測案件の5件のプロトタイプ案件の成功裏の完了とその成果の持続的な利用を実現する取り組みを認め、歓迎する。
25.
ユーザ機関や開発援助機関との連携を強化するため、ステークホルダー会合や国際会議(アジアリモートセンシング会議(ACRS)等)において、社会課題と宇宙技術に対するニーズ、実際の課題と解決に向けた取り組み事例の紹介があったことを確認した。

<提 言>

26.
SAFEへの提言は以下のとおり:
A)
SAFEの新たなフォローアップ活動の枠組みを受諾し、2年間の活動終了後、地域レベルでのSAFEの成果の持続的利用に向けて、関連ユーザ機関及び開発援助機関との連携を拡大し、SAFEの完了した4件のプロトタイプ活動のうち2件のフォローアップとして、規模を拡大したテストケースを実施する。
B)
SAFEのフォローアップ活動のとりまとめを継続し、次回SAFEワークショップまでにTOR(Terms of Reference)を改訂する。
【宇宙技術分科会(STWG)】
27.
APRSAF-21において新たに設置された分科会の2年目の活動として、以下について活発な議論を行った。
小型衛星関連を中心とする技術戦略や先進技術
アジア地域において関心の高い自動認識システム(AIS)やGNSS等の応用技術
本格的な宇宙プログラムを行う上で必須となるシステムエンジニアリング等の技術マネジメント
リスク軽減のためのデブリ監視、軽減、除去に関する取り組み
打上げ環境と、軌道上の実験実証
特に、信頼性確保と品質管理のため、システムエンジニアリングやプロジェクト管理を含む技術管理について強い関心が示され、これらのトピックに関する活発な議論が行われた。
28.
加えて、パネリストは人材育成、訓練の取り組みに関する意見交換を行い、各国の抱える課題と問題解決へ向けた地域協力への期待が共有された。

<提 言>

29.
宇宙技術分科会(STWG)への提言は以下のとおり:
A)
地域における各国の宇宙技術、小型衛星や打上げ機会、技術管理等の活動と経験を共有し、協力機会の促進とより多くの参加を奨励する。
B)
各国の能力開発プログラム、トレーニング機会に関する情報交換の促進と参加を奨励する。特に、宇宙機関、民間セクター、大学・研究所等との連携を模索し、活発な議論を奨励する。
C)
デブリ対策の重要性を認識し、デブリ抑制・回収のための技術的事項についての情報交換・議論を奨励する。
D)
小型衛星開発・利用の能力開発の取り組みとして、宇宙機関、民間セクター、大学・研究所等との連携を強化する。
E)
宇宙技術について議論する良い機会を提供するため、アジア太平洋諸国における活発な宇宙開発を目的とする本分科会の本年以降の引き続きの活動を奨励する。
【宇宙環境利用分科会(SEUWG)】
30.
アジア地域における『第1回アジア「きぼう」利用及び宇宙探査ワークショップ』がLAPANの協力のもとインドネシア・ジャカルタにて成功裏に開催されたことが認識され、超小型衛星の放出など、ここで提案された「きぼう」利用テーマにおける実現可能性検討が開始された。第2回ISS/きぼう利用ワークショップのアジアでの開催が予定されている。
31.
更なる「きぼう」利用に向けた実現可能性検討の重要性が認識された。
32.
曝露部材料実験(ExHAM)の利用において、実験試料は軽量・安価であり短期間で実施できることが認識され、衛星設計にも有用であることが認識された。
33.
超小型・小型衛星開発に関する実現可能性検討に向け、加盟国との技術調整の重要性が認識された。
34.
「きぼう」利用に向けた資金確保手法のひとつとして、外部資金の有効性が認識された。

<提 言>

35.
宇宙環境利用分科会(SEUWG)への提言は以下のとおり:
A)
アジア太平洋地域における技術者と研究者との連携構築を通じ、「きぼう」での宇宙実験の実現に向けた活動を加速させるために、地域のより多くの宇宙機関における宇宙技術に関する活動を推進する。
B)
きぼうを利用した超小型・小型衛星開発と打上げ・放出に向けた活動を加速させる。
C)
応用技術の向上、宇宙環境利用の機会を有効活用するにあたり必要となる外部資金確保に向けた活動を推進する。
APRSAFイニシアチブ
【Kibo-ABC】
36.
Asian Try Zero-G 2015の結果が共有され、Asian Try Zeroに向けた新選考基準とカテゴリーが紹介された。候補テーマについては今後最終選考を行い、2016年に実施する。
37.
SSAF2013(アズキ種子の成長観察実験)で獲得した経験に基づき発展した新たな植物実験ミッションAHiS(Asian Herb in Space)の地上予備実験に関するマレーシア(ANGKASA)と日本(JAXA)の取り組みについての進捗報告により、フィージビリティ調査が最終段階のフェーズに入ったことが認識されるとともに、ミッションスケジュールを確認した。
38.
ANGKASA、LAPAN、JAXAの3機関が提示した中長期ロードマップに沿って、各国が各々独自の「きぼう」利用計画を検討することを認識した。

<提 言>

39.
Kibo-ABCへの提言は以下のとおり:
A)
SSAF、Try Zero-G、パラボリックフライト実験等の各能力開発プログラムにおいて、これまでの取り組みにより蓄積した経験を基に、新しいミッションの創出を目指した活動を継続する。
B)
Kibo-ABCイニシアチブに対し、AHiS(Asian Herb in Space)のような「きぼう」利用を拡大させるための計画と再検討プロセスを含み、より多くの機関が参画するための活動を奨励する。
【宇宙教育分科会(SEWG)】
40.
宇宙教育の普及のために、同分科会において、アジア太平洋地域における教員・教育関係者向けのセミナー開催に向けての調整を行った。さらに来年以降のAPRSAF開催国における宇宙教育活動の実施に関する議論を行った。
41.
青少年教育の促進を目的に、宇宙教育分科会の主催により本年で11回目となるAPRSAF水ロケット大会が開催され、今年は13か国から、58名の国内予選を経た生徒がインドネシア大会に参加し活発な交流が行われた。また、10回目となるポスターコンテストが「Careers in Space」をテーマに開催され、11か国から国内選考で選ばれた32名の生徒の作品の応募があり、活動を通じて地域の科学技術教育の促進を図っていることを確認した。こうしたイベントを来年も継続することが確認された。
42.
上記の活動を通じて、宇宙教育が次世代の人材育成に果たす役割の重要性を再確認し、国・地域レベルでのさらなる活動の推進を目的として、昨年に引き続き参加機関が教材やツールを利用・実験するセッションを成功裏に開催した。

<提 言>

43.
宇宙教育分科会(SEWG)への提言は以下のとおり:
A)
宇宙を素材とした幅広い教育活動をさらに推進し、次世代の人材育成に貢献することを奨励する。
B)
青少年の宇宙への興味を喚起し、創造力・革新的な思考力を育む活動として水ロケット大会およびポスターコンテストの実施を継続する。
C)
アジア太平洋地域、特にAPRSAF開催国における自発的な教育プログラムとの連携を継続する。
APRSAFが支援するプログラム及び活動
【マルチGNSSアジア】
44.
マルチGNSSアジア(MGA)に関する最新の活動報告を認識し、特にASEAN地域におけるGNSSを用いた社会問題解決の協力についての活発な議論を歓迎し、アジア太平洋地域で高精度の位置情報を用いるユーザの観点から利用しやすいシステムの構築に向け、地域協力の進展を期待することが確認された。
45.
併せて、第7回第7回マルチGNSSアジア(MGA)カンファレンスが、2015年12月7日~10日の日程でブルネイ・ダルサラーム国で開催されることを認識した。また、欧州の測位システム「Galileo」に関連した2件のHorizon 2020 プロジェクト(GNSS.asiaとBELS)に連動したMGAの活動を促進した。
【New Cooperationセッション】
46.
New Cooperationセッションは、既存の分科会ではカバーされていない新しい利用や技術の協力を特定する目的でAPRSAF-20の際に初開催された。今回、過去の提案の進捗報告も含め、APRSAFの活動への民間セクターの参加促進、小型衛星利用、次世代ワークショップ、小惑星監視ネットワーク、など8件の提案が発表された。これらの発表は、宇宙機関、大学、民間セクター、NPO等の様々な機関の専門家により行われた。
【展示】
47.
宇宙機関、民間セクター、その他機関の展示を通じた活発なネットワーキングとコミュニケーションが評価された。
【特別セッション】

(宇宙と海洋利用)

48.
LAPAN主催による「宇宙と海洋利用」をテーマとした特別セッションにおいて、衛星画像等の技術が海洋分野において相乗的に活用された実施中のプロジェクトが紹介され、活発な議論が行われたことを歓迎した。漁業や海上監視等の分野における宇宙技術の貢献について認識するとともに、更なる利用拡大を積極的に支援していくことが奨励された。

(宇宙利用におけるシナジー)

49.
特にセンチネルアジアやSAFEイニチアチブの推進に宇宙技術が効果的に活用された成功事例や課題について共有するとともに、国家的、地域的な課題の解決に資するために集中して取り組んでいくことの重要性が強調された。

(宇宙探査における地域協力)

50.
同特別セッションにおいて、国際宇宙ステーション(ISS)を利用した国際協力の拡大と、国際共同探査に向けた地域協力についての議論が行われたことを歓迎し、将来の国際宇宙探査に向けて地域協力を推進していく重要性が強調された。
アジア・太平洋地域における宇宙協力に関する報告
51.
国際機関から、地球観測に関する政府間会合(GEO)、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)およびアジア太平洋宇宙協力機構(APSCO)、NGOから宇宙財団(Space Foundation)の代表による活動報告を歓迎した。
52.
米国および英国の代表から、アジア・太平洋地域における活発な宇宙協力についての発表がなされたことを歓迎した。
実行委員会(ExCom)活動報告
53.
APRSAF の活動をより持続的・効果的に、また様々な分野との協力を相乗効果のある方法で強化するため、2015年を通じてなされた実行委員会(ExCom)の取り組みを評価した。
54.
地球観測に関する政府間会合(GEO)の取り組みへ参加し、GEOに対し、APRSAFをオブザーバーとして認めるよう要請するExComからの提案を歓迎する。
APRSAF-23
55.
次回APRSAF-23が2016年11月28日-12月1日にフィリピンで開催されることを歓迎し、今後、ExComを通じて積極的に準備が行われることへの期待を表明した。
 

APRSAF-22の参加者は、「宇宙におけるシナジーを通じた解決策の共有(Sharing Solutions through Synergy in Space)」のテーマのもと、宇宙技術利用の更なる可能性について検討することを目的として、アジア太平洋地域により良い社会を実現するためのニーズに応えるべく、これまでの知識や経験を共有することを通じて生み出される様々の新たな解決策について、実りの多い議論が行われたことに満足した。