Kibo-ABC~きぼうを利用したアジア協力イニシアチブ~
目的
Kibo-ABC(Asian Beneficial Collaboration through “Kibo” Utilization)は、アジア・太平洋地域宇宙機関会議(Asia-Pacific Regional Space Forum, APRSAF)の宇宙フロンティア分科会(Space Frontier Working Group, SFWG)により2012年に創設されたイニシアチブで、アジア太平洋地域における「きぼう」の利用を促進し、「きぼう」利用の価値を共有することを目的としています。
Kibo-ABCは、多国参加型「きぼう」利用プロジェクトの実施を通しての各宇宙機関の経験蓄積および能力向上、アジア太平洋地域の研究者・技術者による「きぼう」利用の促進、そして日本と参加国との二国間協力プロジェクトの創出を目指します。
Kibo-ABCの規約に同意したメンバー機関が共同で本活動を実施しています。
活動
KiboABCワークショップ
- 「きぼう」利用ミッションの創出の議論・検討
- 宇宙科学分野における参加国との重層的な協力関係を構築
- 「きぼう」実験装置開発に携わる技術者及び研究者による特別セッションの開催
アジアの種子(SSAF: Space Seeds for Asian Future) (2010年以降)
「アジアの種子(SSAF)」は、Kibo-ABCのプログラムのひとつで、「きぼう」利用に向けた人材育成及び能力向上を目的として行われています。「アジアの種子」は、「きぼう」利用初心者向けに最適化された小規模な植物実験となっています。参加者は、馴染みのある実験素材を用いて実験を計画し、宇宙実験と地上実験を経験することができます。
2010年~2011年の第1回プロジェクトには、1,000人以上の学生が参加しました。2013年の第2回プロジェクトでは、各国の4万人を超える学生が実験レポート作成に参加しました。第3回プロジェクトは、アジアン・ハーブ・イン・スペース(AHiS, Asian Herb in Space)というプロジェクト名で、多数の国と地域が参加して、2020年~2021年に実施しています。
アジアントライゼロG(ATZG: Asian Try Zero-G) (2011年以降)
「きぼう」で行われている宇宙実験への関心喚起と理解増進を目的として、日本人宇宙飛行士がアジア太平洋地域の青少年が考案した小規模な実験を行っています。「アジアントライゼロG」では、青少年教育だけでなく、宇宙実験としての実現可能性を検討する点において宇宙機関の能力も養われます。
参加機関は、各国で実験提案を募集し、あらかじめ参加機関で合意した選定基準により実験を一次選定します。JAXAが実現性評価を行った後、全ての加盟機関により実験テーマの最終選定を行います。実験準備を終えた後、最終的に「きぼう」で宇宙飛行士による実験が行われます。
「きぼう」ロボットプログラミング競技会(Kibo-RPC: Kibo Robot programming Challenge) (2020年以降)
航空機によるアジア学生無重力実験コンテスト (2006年~2013年)
アジア諸国の若手研究者・技術者が、宇宙実験運用にむけた地上での事前検証や訓練に利用されている“航空機実験”を行いました。参加者はこの航空機実験を通じ、研究プロジェクトの成功に必要不可欠な体系的な運用方法とチームワークの重要性を学びました。過去の参加者は、航空工学や生命科学等の様々な分野で活躍しています。
簡易落下塔を利用した微小重力実験デモンストレーション
ごく短時間の微小重力状態を作り出せる手作りの簡易落下塔を使った微小重力実験のデモンストレーションやセミナーを開催しています。いくつかの宇宙機関は、微小重力下での基礎的な物理現象の理解普及のために簡易落下塔を製作し役立てています。
Terms of Reference (TOR)
Members
Country and Region | Organization |
---|---|
Australia |
Australian Space Agency (ASA) オーストラリア宇宙庁 |
Research School of Astronomy and Astrophysics, The Australian National University (ANU) オーストラリア国立大学 天体物理学研究所 |
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Bangladesh |
National Museum of Science and Technology (NMST) バングラデシュ国立科学技術博物館 |
Indonesia |
National Institute of Aeronautics and Space (LAPAN) インドネシア国立航空宇宙研究所 |
Japan |
Japan Aerospace Exploration Agency(JAXA) 宇宙航空研究開発機構 |
Malaysia |
Malaysian Space Agency (MYSA) マレーシア宇宙庁 |
Nepal | Nepal Scientific Activities and Research Center (NESARC) ネパール科学研究センター |
New Zealand |
New Zealand Space Agency (NZSA) ニュージーランド宇宙庁 |
New Zealand Astrobiology Network (NZAN) ニュージーランドアストロバイオロジーネットワーク |
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Republic of the Philippines | Philippine Space Agency (PhilSA) フィリピン宇宙庁 |
Science Education Institute, Department of Science and Technology (DOST-SEI) フィリピン科学技術省 科学教育研究所 |
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Republic of Korea |
Korea Aerospace Research Institute (KARI) 韓国航空宇宙研究院 |
Singapore |
Singapore Space and Technology Limited (SSTL) シンガポール宇宙技術協会 |
Taiwan |
Taiwan Space Agency (TASA) 台湾宇宙庁 |
Thailand |
Geo-Informatics and Space Technology Development Agency (GISTDA) タイ地理情報・宇宙技術開発機関 |
National Science and Technology Development Agency (NSTDA) タイ国立科学技術開発庁 |
|
United Arab Emirates |
UAE Space Agency (UAESA) アラブ首長国連邦宇宙庁 |
Mohammed Bin Rashid Space Centre (MBRSC) ムハンマド・ビン・ラシード宇宙センター |
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Vietnam |
Space Technology Institute, Vietnam Academy of Science and Technology (VAST-STI) ベトナム科学技術アカデミー 宇宙技術研究所 |